[認定資格]植込み型心臓デバイス認定士について

こんにちは、ジャックです。

臨床工学技士として働いて15年。
学会認定の資格は

  • 透析技術認定士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 心血管インターベンション技師

を保有しています。

今年、タイトルにある「植込み型心臓デバイス認定士」の認定試験を受験しました。
折角ですので、この資格について今回は解説したいと思います。

植込み型心臓デバイス認定士とは

一般社団法人 日本不整脈心電学会が「植込み型心臓デバイス認定士」を創設しました。
国家資格ではなく学会が認定する資格なので、この資格がないからといって業務が行えないわけではありません。


植込み型心臓デバイスとは

植込み型心臓デバイス(CIED:Cardiac Implantable Electronic Device)には

  • ペースメーカ
  • 植込み型除細動器(ICD)
  • 心臓再同期療法(CRT)

などがあります。

「植込み型心臓デバイス認定士」の試験では、これらのデバイスの他に着用型自動除細動器やホルター心電図などの医療機器についての問題も出題されました。


認定制度ができた背景

「植込み型心臓デバイス認定士」ができた背景には、植込み型心臓デバイスの高性能化・多機能化があります。
最近では電話回線や3G回線を活用して、自宅にいる患者の体内に植込まれたデバイスの情報を医療施設で確認できるような機能も使用されています(遠隔モニタリング)。

急速に発展する植込み型心臓デバイスを医師だけでなく医療チームで包括的に医療・管理する必要が出てきました。
これが認定制度ができた背景です。


認定制度の特徴

これまで、CIEDに特化して、患者教育も含めたその管理を専門とするMPを認定する包括的制度はありませんでした。

一般社団法人 日本不整脈心電学会

この認定制度の最も優れていると思うはこの点です。

医師が知っている植込み型心臓デバイスのこと
臨床工学技士が知っている植込み型心臓デバイスのこと
看護師が知っている植込み型心臓デバイスのこと
その他のメディカルプロフェッショナル(MP)が知っている植込み型心臓デバイスのこと

これらにはそれぞれ知識の溝(みぞ)があります。

例えば
臨床工学技士は心臓デバイスの解析にはめっぽう強いけど、関連法規や薬剤やエビデンスには弱い。とか
(もちろん人によるとは思います)

看護師は病態疾患や合併症、薬剤関連などの知識は深いけれど、トラブルシューティングについてはよく分からない。という方も多いのではないでしょうか。

「植込み型心臓デバイス認定士」の学習をすることで、これらの職種間の知識の溝を埋めることができます。


植込み型心臓デバイス認定士を取得するためには

植込み型心臓デバイス認定士を取得する条件や取得するまでの流れについて説明します。

 

条件(受験要件)

植込み型心臓デバイス認定士を取得するには

  1. 日本の国家医療資格を有すること
  2. 日本不整脈心電学会の会員であること
  3. 試験日よりさかのぼって3年間以内に指定講習会を受講していること

以上の条件があります。


取得するまでの流れ

植込み型心臓デバイス認定士の認定試験を受けるまでの流れについて説明します。
※日本の医療国家資格を有している必要があります

  1. 日本不整脈心電学会に入会する
  2. 植込み型心臓デバイス認定士 指定講習会を受講
  3. 植込み型心臓デバイス認定士 資格認定試験を受験

日本不整脈心電学会への入会は日本不整脈心電学会のホームページから手続きできます。
2021年度は指定講習会がe-ラーニングによる講習でしたが、来年度以降もe-ラーニングを継続するかは分かりません。


取得するまでにかかる費用

認定資格を取るにもお金はかかります。費用についても説明します。

  • 日本不整脈学会の年会費 B会員:6,000円
  • 指定講習会の受講料:10,000円
  • 資格認定試験の受験料:20,700円

試験を受けるまでに36,700円がかかります。
これらに加えて

  • 試験会場までの旅費交通費:x円
  • 植込み型心臓デバイス認定士公式テキスト:7,700円(税込)
  • 認定料(合格した場合に支払う):5,000円

などの費用も追加でかかります。

けっこうな費用がかかります。
この費用に見合った資格になるよう、日本不整脈学会は働きかけて欲しいですね。


更新制度について

植込み型心臓デバイス認定士の認定を受けた場合、5年毎に認定を更新する必要があります。
更新しなかった場合、認定資格は無効となり認定バッジを返納することになります。


更新要件

更新の要件を日本不整脈心電学会のホームページより抜粋

1)認定期間を通じて日本不整脈心電学会の会員であり、かつ会費を完納していること
2)認定期間中に日本不整脈心電学会年次学術大会または植込みデバイス関連大会に少なくとも1回は参加していること
3)認定期間中に次の学術集会・セミナーによって更新単位50単位を取得していること
① 日本不整脈心電学会年次学術大会への参加10単位
② 日本不整脈心電学会年次学術大会に参加かつ発表(筆頭演者に限る)20単位
③ 植込みデバイス関連大会への参加10単位
④ 植込みデバイス関連大会に参加かつ発表 (筆頭演者に限る)20単位
⑤ カテーテルアブレーション公開研究会への参加10単位
⑥ カテーテルアブレーション公開研究会に参加かつ発表 (筆頭演者に限る)20単位
⑦ 日本不整脈心電学会地方会への参加5単位
⑧ 日本不整脈心電学会地方会に参加かつ発表 (筆頭演者に限る)10単位
⑨ 心電学関連春季大会(心電学関連研究会)への参加10単位
⑩ 心電学関連春季大会(心電学関連研究会)に参加かつ発表 (筆頭演者に限る)20単位
⑪ 論文発表(和文・英文を問わないが、Peer-reviewを経たものに限る)20単位
⑫ 部会が指定する「植込み型心臓デバイス認定士 更新セミナー」の受講
  (ⅰ)日本不整脈心電学会が主催する更新セミナー10単位
  (ⅱ)日本不整脈心電学会が主催する学術集会中の更新セミナー
     (ⅱ)は1つの学術集会で1つ(5単位)までとする
5単位
  (ⅲ)日本不整脈心電学会以外の他団体が主催するもの3単位

(横スクロールで取得単位の確認ができます)

認定更新のハードルが高いか低いかは人それぞれ感じ方は違うとは思いますが….
僕の個人的な考えは「けっこうハードルが高い」です。

各学会への参加費や旅費交通費に対して、学会参加で取得できる単位が10単位のみ。
心臓デバイスに専従しているならまだしも、その他の業務と掛け持ちでは演題発表も難しいのが現状。
僕は試験に合格できたとしても、認定資格を更新することはできないかもしれません。


さいごに

今回は「植込み型心臓デバイス認定士」について解説させていただきました。
植込み型心臓デバイス自体はとても興味深い分野なのですが、認定士を取得するまでの費用や認定更新のハードルの高さが個人的にはネックに感じます。

ですが、僕は実際に認定試験を受けて、それ自体に後悔はしておりません。
なぜなら、記事にもしたように「知識の溝」を埋めることができたからです。

認定試験を受験するのも、認定資格を保有する理由も人それぞれあっていいと思います。

次回は「植込み型心臓デバイス認定士 認定試験について」解説したいと思います。

ジャック
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。



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ABOUTこの記事をかいた人

とある病院ではたらく、とある臨床工学技士。 「臨床工学技士の認知度向上」と 「むずかしい医療機器を、分かり易く&簡単に」を このブログを通して1人でも多くの人に伝えていきたいと思います。