【心カテ】NCD(J-PCI)への症例登録とカテレポートシステムについて

おはようございます。
この記事を書いている、ジャックです。

 

NCD(J-PCI)への症例登録は行っていますか?
僕の働いている施設では、心臓カテーテル治療(PCI)の手術情報をNCDへ登録しています。

 

今回は『NCD(J-PCI)への症例登録とカテレポートシステムについて』をテーマに、僕が働いている施設の症例登録の現状についてお話させていただきたいと思います。

 

そもそも、NCDとは?

日本全国の手術・治療の情報をNCD(一般社団法人National Clinical Database)に登録します。
集められた情報は巨大なデータベースを形成し、集計・分析されます。
分析されたデータは論文・手術リスクの評価・医療の質を高めることに活用されます。

 

僕が働いている施設では、心臓カテーテル治療(PCI)の情報をNCDへ登録しています。

 

当院における症例登録の現状

カテレポートシステム「Kada-Report」の活用

当院ではカテレポートシステムを活用して、NCDへの症例登録を行っております。
カテレポートシステムは、フォトロンM&Eソリューションズ株式会社の「Kada-Report」を使用しています。

 

「Kada-Report」には、NCDへの症例登録サポート機能が搭載されているのが特徴です。
事前に入力しておいた手術情報をボタン1つでWeb上の登録フォームに転機することが出来ます。

 

当院では臨床工学技士が、電子カルテ上の医師の記録・インターベンション記録を参考に「Kada-Report」に症例の記録を残しています。

 

Kada-ReportとNCD症例登録項目

NCD(J-PCI)の症例登録に必要な項目

患者情報

  • 院内管理コード(施設患者番号)
  • 患者性別
  • 患者生年月日

 

手術入院・インターベンション入院

  • 手術回数

 

手術・インターベンション情報

術前準備
  • PCI歴
  • CABG歴
  • 心筋梗塞の既往
  • 心不全の既往
  • 24時間以内の心停止
  • 24時間以内の心原性ショック
  • 24時間以内の急性心不全
  • 1ヶ月以内の症状の有無
  • 併発疾患
  • 術前抗血小板薬の使用
  • 術前経口抗凝固薬の使用
  • 術前Hb値
  • 術前Cr値
  • 病変数

 

術中情報
  • 年齢
  • PCI施行日
  • 第一術者
  • 指導医
  • PCIのステータス
  • アクセスサイト
  • 透視時間
  • 手術時間
  • 造影剤使用量
  • PCIにあたっての補助循環デバイスの使用
  • 病変の部位

 

手術・術後情報
  • 手技に関する合併症

 

以上の内容がNCDへ登録するのに必要な項目になります。(2019/1/8現在)
選択する内容によって、さらに追加で入力するものもあります。

 

「Kada-Report」には上記の内容に加えて、使用したデバイスや医師のコメント、注意事項なども記入しています。

 

カテレポートシステムへの入力はME、NCDへの症例登録はMA

先程も書いた通り、当院では臨床工学技士がカテレポートシステム「Kada-Report」に症例の記録を残しております。
これにより、NCDの症例登録に必要な情報もカテレポートシステムに残すことになります。

 

当院の場合は、臨床工学技士の仕事はここまでです。この後はMA(医師事務作業補助者)にバトンタッチします。

 

MA(医師事務作業補助者)は、「Kada-Report」の情報をFileMaker形式で取り出し、Web上の登録フォームに転記作業を行います。
症例の転記作業終了後、医師へ入力内容の確認依頼をします。
医師が入力内容を確認し、症例登録が完了となります。

 

データマネージャーは誰が引き受けるのか?

NCDの症例登録を行うためにはユーザー登録が必要です。
ユーザーの種類は

  1. NCD診療科長
  2. NCD主任医師
  3. データマネージャー

の3タイプに分けられます。

 

1.NCD診療課長と2.NCD主任医師はともに、医師免許取得者しかユーザー登録することができません。
3.データマネージャーは、ユーザー登録するのに専門の資格を必要としません。
(医療事務、医療事務作業補助者、臨床工学技士、看護師、誰でもユーザー登録可能。ただし、NCD診療科長の承認が必要)

 

データマネージャーは専門の資格を必要としないため、施設によっては誰がこの役割を担うのかマチマチだと思います。
医師自身が症例登録を行ってくれれば問題はないのですが、PCI件数が多いと登録作業もその分多くなるため、データマネージャーの存在は必要不可欠といえます。

 

医療の役割分担

臨床工学技士は、実際に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)に立ち会っているため、手術の流れ、使用した造影剤の量、使用したデバイス、術中に起きた合併症を把握しやすい立場にあります。

 

しかし、手術後のレポート作成、翌日以降の手術情報の収集、その他ME業務などに追われ、NCDへの症例登録まで手がまわらない施設も多いのではないかと思います。

 

MA(医師事務作業補助者)は、NCDへの登録に詳しい可能性があります。
NCDはJ-PCI(心臓カテーテル治療)以外にも消化器外科、肝胆膵外科、内分泌外科、血管外科、呼吸器外科などの手術でも症例登録を行っているからです。

 

臨床工学技士が把握していないだけで、MA課では心臓カテーテル治療以外の内容でNCDへの症例登録を実施している可能性があります。
MA課がある施設においては、一度業務連携ができないか確認することをお勧めします。

 

まとめ

  • NCD(一般社団法人National Clinical Database)には、日本全国の手術・治療の情報が登録され、巨大なデータベースを構築している
  • NCDに登録された情報をもとに、医療の質向上・最善の医療を提供することが期待できる
  • 心臓カテーテル治療(PCI)は、NCDに全例症例登録する必要がある
  • カテレポートシステムを用いることで業務効率化が図れる
  • 他職種(MA:医師事務作業補助者など)と業務連携がとれるかを確認する

 

さいごに

今回は『NCD(J-PCI)への症例登録とカテレポートシステムについて』をテーマに、僕が働いている施設の症例登録の現状についてお話させていただきました。

昨年の心臓カテーテル治療(PCI)の症例登録期限は、2019年3月31日までとなっております。
期限内に全例症例登録できるように、他職種と連携して業務にあたりましょう。



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ABOUTこの記事をかいた人

ジャック

とある病院ではたらく、とある臨床工学技士。 「臨床工学技士の認知度向上」と 「むずかしい医療機器を、分かり易く&簡単に」を このブログを通して1人でも多くの人に伝えていきたいと思います。