
2020年3月、長年勤めた病院を辞めました。
そして今の病院に転職して3ヶ月が経過。
転職したことで得られたものや失ったものがありました。
僕の経験が少しでも転職しようかどうか悩んでいる人の参考になればいいな、と思い今回記事にしてみました。
そんなわけで今回は、
「長年勤めた病院を辞めて転職。3ヶ月経った今の気持ちをまとめてみた」
をテーマに、僕が転職して気付いたことを紹介します。
転職して失ったもの

人は何かの犠牲なしに何も得ることはできない
何かを得るためには、それと同等の代価が必要になる鋼の錬金術師

転職して失ったもの
- 仕事のしやすさ
- 信頼
- 人間関係
- 高い収入
詳しく説明していきます。
仕事のしやすさ
長年、同じ病院で働いていると『慣れ』の部分が出てきます。
透析ならこの流れで業務をこなす。
カテならこの流れで業務をこなす。
上司が納得する書類の作り方。
などその病院、その組織にだけ通用する仕事の流れが存在します。
「慣れ」は悪いことではなくて…
仕事の流れが理解できているからこそ、集中するべきところ、リラックスしても大丈夫なところを自然と判断して無駄のない動きができます。
結果的に疲れにくいのです。
転職するということは、この「慣れ」の部分が無くなります。
所属する組織が変われば業務の流れやルール、役割も変化してしまうからです。
転職先の業務の流れやルール、そこにおける臨床工学技士の役割を理解するにはかなりの時間を要します。

信頼

転職すると、新しい職場では1からのスタートになります。
誰もあなたがどれくらい仕事ができるか分かりません。
分からないから、仕事を任せてもらえない。
もどかしい気持ちになるかもしれません。
でも、それが転職というものです。
特に中途採用の場合、人間関係を1から構築するのは大変です。
それは年齢によるところが大きいかと思います。
新卒であれば一番若く、未経験ゆえに仕事を教えてもらえる立場です。
教育がしっかりしているような病院であれば、指導担当者も付きます。
しかし、中途半端に年齢が高い中途採用者であれば、既存のスタッフとの年齢差や環境に馴染みにくいかもしれません。
これは時間をかけてしっかりと仕事をこなす、少しずつでいいからコミュニケーションを取る、気負わず意固地にならず柔軟な姿勢でいることで解決できるのではないかと考えています。

人間関係
信頼では主に、転職先における人間関係の話をしました。
ここでは、転職前の職場における人間関係の話をします。
病院を辞めることで今まで関わってきた人たちとの縁が切れたり、関係性が薄れます。
実際、僕は臨床工学科のスタッフはもちろん、透析センターで一緒に働いた看護師さんや看護助手さん。病棟や外来、手術室やカテ室で関わった看護師さん、診療放射線技師さん、その他多くの方々と疎遠になりました。
連絡先を交換するほどではないけれど、病院で顔を合わせれたら会話をする。そんな方達との関係はほぼ切れました。
逆に、苦手な人とも縁が切れる、顔を見なくも済むようになります。
そういった見方もあるので、これは人によってはメリットになるかもしれません。

高い収入

これは転職する人、みんなに当てはまるわけではありませんが…
僕の場合は転職をして収入が減りました。
補足すると、まだ3ヶ月しか働いていないので月収でしか判断できません。賞与(ボーナス)を満額貰えるようになれば、年収で比較することができますが、それでも恐らく減収すると思われます。
減収することは転職前から分かっていたので、そこまで苦になるようなことはありませんでした。

失って、分かったこと。
失った4つのもの「仕事のしやすさ」「信頼」「人間関係」「高い収入」。
これらのもので、僕が最もツラかったものは「人間関係」です。
以前勤めていた病院のスタッフと疎遠になってしまったことが少しだけ悲しかったです。
考えてみれば10年以上ほぼ毎日のように顔を合わせ、会話をしてきたわけです。その時間は家族や友人と過ごした時間に匹敵するといっても過言ではありません。
それだけの関係が、転職をきっかけにパッタリと無くなるのは寂しい感じがしました。
(もちろん、全ての人との関係が無くなったわけではありませんが)
転職して得られたもの


転職して得られたもの
- 時間
- 病院への信頼、安心感
- 新しい思考
一つずつ説明していきます。
時間
転職して変わったことは仕事に費やす時間です。
残業時間が減ったこと(月に5時間もない)に加えて、呼び出し当番、当直業務を担当しなく無くなったのことで、職場にいる時間が減りました。
(当直業務自体はあるため、今後任される可能性はありますが…)
定時で帰れるため家族と過ごす時間が増えました。
家族揃って一緒に夕食を食べる。
まだ幼い子供と一緒にお風呂に入れる。
そんな今しかできない時間を過ごせるようになりました。
また、緊急カテーテル検査で呼び出されることが無くなったため精神的にも楽になりました。
呼び出される頻度こそ少なかったものの、病院から離れた外出ができないのは苦痛でした。

病院への信頼、安心感

転職先の病院は、以前勤めていた病院より透明性があり健全な組織運営がなされているように見えます。あくまで、僕の主観なのですが。
病院の運営方針や理念を明確化し各部門に落とし込んでいたり、コロナウイルスに対する病院の方針や対策についても事細かく適宜情報を発信されている様子が伺えます。
有給休暇や年間休日日数、勤務区分など休みとお金に関わるとこでいくつか不明な点もありますが、それは今後調べてみようと考えています。

新しい思考
転職する前の病院で感じていた不安や不満。
転職することで変わったこと、変わらなかったこと。
転職を経験することで、以前では分からなかったことや気付けなかったことに目を向けられるようになりました。
たとえば、僕は臨床工学技士としてこの先も働き続けることができるのか?といった疑問を抱くようになりました。
転職することで以前勤めていた病院で感じていた不安や不満を解消することが出来たことがあった反面、それ以外のところで問題を感じるようになりました。
その一つに、ME(CE)として働き続けることができるのか。といったものがあります。
(このことついては長くなるので、また別の記事にするかもしれません)
臨床工学技士の国家資格を活かしつつ+αの専門知識を身につけたい。そう考えるようになりました。

そもそも、前職を辞めた理由


僕が前の病院を辞めた理由は
- 病院の経営が不透明、経営の方向性が不明確であった
- 経営がワンマンであり、各部門の役職者の入れ替わりが早かった
- ME(CE)のトップが感情的に行動することがあった
- 特定のスタッフへのレッテル貼り、悪口、陰口
これから先、何年・何十年と働くことを考えたときに、このまま今の職場で働き続けることが出来るのか不安になりました。
「今、働けているのだからこれから先も大丈夫!」
そう考えることができず、退職の道を選んでしまいました。
これらが僕が前職を辞めた理由です。
転職して良かったのか?


前の職場を辞めることで失ったものもありましたが、今は転職して良かったと感じてます。
今の病院・組織に100%満足しているわけではありませんし、僕がまだ気付いていないだけでこれから嫌なところも見えてくるかもしれません。
それでも、今の病院は「少しずつ問題を解決していこう」といった姿勢が伺えます。
また、職場にいる時間が減ったことで、ブログを執筆する時間や勉強をする時間、家族と過ごす時間が増えました。
まだまだ慣れない部分も多々ありスタッフに迷惑をかけてしまったり、空回して疲れてしまうような日々を送っていますが、それも時間をかけて少しずつ解決していけるはずです。
転職は気力と体力が必要になることが分かりました。
まだ体力がある30代で転職を経験することで今まで見えていなかったこと、考えられなかったことに気付けました。
どこか甘えていた自分に少し喝を入れられた気がします。
今悩んでいる人へ


今の職場を辞めたい。仕事を変えたい。
あなたがそう考えてしまうことには、きっと理由があるはずです。
自分で解決できること。自分では解決できないこと。様々な問題があるとは思いますが、その問題が嫌で、心配で、苦痛で堪らないのであれば辞めてしまっても良いと思います。
臨床工学技士は、国家資格です。
よほどのことがない限り、仕事はあります。
仕事は他にもあるのだから、あなたの身体と心を守ることを一番に考えるべきです。
ただ、この記事にもあるように何かを得るためには、何かを失います。
転職した先に、何の不満もない職場があるわけではありません。
それは断言できます。
僕は今回の転職を通して、転職には向いている人と向いていない人がいることにも気付けました。
これについては、後日また記事にします。
さいごに

今回は「長年勤めた病院を辞めて転職。3ヶ月経った今の気持ちをまとめてみた」をテーマに、転職で得られたもの、失ったもの、気付いたことなどについて書かせていただきました。
今の職場を辞めるかどうかで悩んでいる方の参考になれば幸いです。
近いうちに「転職が向いている人・向いていない人」をテーマに記事を出したいと思います。
