[臨床工学技士]この仕事のツラいところ

学生
臨床工学技士の仕事に興味があるけれど….実際どんなところが大変なんだろう。
実際に働いている人の声が聞きたいよ。

こういった悩みに答えます。

本記事の内容

  • 臨床工学技士のツラいところ、大変なところ
  • 仕事を続けられる理由

 

僕は、臨床工学技士として10年以上働いています。
正直、臨床工学技士の仕事は大変です。ツラくて、しんどくて辞めたい。そう感じたことも一度や二度ではありません。

臨床工学技士に興味がある方に、早い段階でこの仕事の大変なところ知って欲しい。
その上で、本当に臨床工学技士を目指すのかどうかを考えて欲しいと思います。

 

[コラム]何も諦めることなく、納得できる人生を

2020年6月29日

 

臨床工学技士のツラいところ、大変なところ

 

僕が、臨床工学技士の仕事で大変だな、ツラいな思うところ。

  • 透析患者さんへの針刺し
  • オンコール体制があること
  • 人間関係

これらを、順番に解説します。

 

ストレス1:透析患者さんへの針刺し

血液透析と針刺し

血液透析とは、血液を体の外に出して「毒素」や「余剰な水分」を取り除いてきれいな血液を体にもどす治療です。

血液を体の外に出すために、患者さんに針を刺さなければなりません。
それも採血などで使う針よりも、ずっと太い針です。
血液を取り出すための針ときれいな血液を返すための針、2本を刺す必要があります。

もっと、血液透析について詳しく知りたい方へ

 

 

透析は集団治療

血液透析は「集団治療」です。
ひとりの患者さんに針を刺しておわり。ではありません。
施設の規模にもよりますが、午前中に何十人、午後に何十人と患者さんがいます。
1人のスタッフが10人以上の患者さんに針を刺すことが当たり前の仕事です。

皆がみんな針を刺しやすい血管ならいいのですが、そうとも限りません。
細い血管、血液が漏れやすい血管、硬い血管、皮膚から深いところにある血管、動きやすい血管….など、血管も人それぞれ違います。

 

また、スタッフの人員には限りがあります。
スタッフの数に対して、患者さんの人数の方が多いのです。
だから、患者さんは針刺しを「待つ」必要があり、針刺しの順番が遅いことに怒る患者さんもいます。

針を刺す。
ただでさえ患者さんに侵襲を与える行為に神経をすり減らしている上に、患者さんから怒鳴られたりしたら、もうメンタルは崩壊寸前です。

 

ジャック
針刺しが得意なスタッフ、好きなスタッフもいますが….僕は苦手です。

 

ストレス2:オンコール体制があること

オンコール体制がある総合病院があります。

オンコールとは、緊急で治療が必要な場合に職場から電話で呼び出されることをいいます。
オンコールの問題は大きく2つあります。

  • 職場の近くに住む必要がある
  • プライベートな時間の行動に制限を受ける

 

職場の近くに住む必要がある

緊急で治療が必要な状況で、病院までの移動に時間がかかっていたら治療に影響が出てしまいます。また、他のスタッフにも迷惑がかかってしまいます。

オンコール番は、職場から◯◯分以内の場所で暮らすこと◯◯km以内の場所にいること、などの住む場所を指定される場合があります。

自分が住みたい場所、思い描いた環境での生活を望む場合、オンコール体制が理由でその生活環境を得られない可能性があります。

 

プライベートな時間の行動に制限を受ける

職場の近くで暮らしていたとしても、生活をする上で職場から離れた場所に移動することだってあります。

たとえば

  • 食料品や生活雑貨を買いに行く
  • 運動や料理教室などの趣味のために移動する
  • お酒が飲めない

など、移動や行動に制限を受けます。
必ずしも出掛けていけないわけではありませんが、移動距離と時間には気を遣う必要があります。

 

また、住む場所の制限、移動や行動の制限の他にもいつ呼び出されるか分からない呼び出されたときに1人で対応できるのか、といった不安を抱えることもあります。

そういった多くの制限や不安を抱えながらも、オンコール自体の手当(お金)は数百円〜数千円と非常に低いものであったり、施設によっては手当自体が無い場合もあります。

オンコール・宿日直・夜勤と労働基準法について詳しく知りたい方へ



 

オンコールがどうしても嫌な場合は上司と相談してオンコール番を外してもらう、オンコール体制のない病院に転職するなど、自分で行動するしかありません。

 

ストレス3:人間関係

僕が働いていて感じる人間関係のストレスは

  • 上司や先輩が新人や後輩に指導教育という名の下にできない人レッテルを貼る
  • 医師からの罵詈雑言、パワハラ
  • 患者からのクレーム

などがあります。

 

できない人レッテル

臨床工学技士に限らず、医療の世界ではよく目にする光景。
仕事ができない人に対して「あの人はいつも失敗ばかり」「また、あいつがやらかした」と陰口をたたいては、仕事ができない人とレッテルを貼ります。

僕は病院でしか働いたことがないから、一般企業でも同じようなことが起きているのかは分かりませんが、医療という専門的知識・技術を要すこと・病院という閉鎖的な環境・常に業務に追われているといったことが原因で、こういったことはどこの病院でも起きています。

 

僕自身は他人からどう思われたり、何と言われていても気にしないタイプの人間ですが、そういった話を耳にするだけで嫌悪感を抱いてしまうような人間なので、いつもそういった話をする人から距離を取るようにしています。

 

医師からの罵詈雑言、パワハラ

コメディカルは医師の指示の下で医療業務を行います。
僕たち臨床工学技士は「医師」の存在なくして仕事を行えません。

法律からも分かるように医師は臨床工学技士より上の立場です。
逆らうことなんて、まず困難です。
これを逆手に取ってなのか、臨床工学技士に対して暴言を吐いたり、法律上グレーな作業をやれと言ってきたりします。

※これに対して守ってくれる職場長や病院長・経営者がいればいいのですが、残念ながらスタッフを守ってくれるようなケースは少ないでしょう。

 

僕自身、血尿が出るんじゃないかってぐらいに追い込まれた経験があります。
もちろん全ての医師がそんな人ばかりではありません。
しかし、大なり小なり医師から感情的な物言いを受ける臨床工学技士は少なくないでしょう。

 

患者からのクレーム

透析業務では、臨床工学技士が直接患者さんに医療業務を行う機会が多いです。
たとえば

  • 患者さんへの針刺し
  • 飲水制限や血液検査データの説明
  • 透析中の処置

などがあります。

直接、患者さんと接するのが透析業務の醍醐味であり、だからこそクレームを受けやすい業務ともいえます。
血液透析は週に3回行われます。
クレーム言われて嫌だな、と感じても必ず2日〜3日後に顔を合わせることになります。
ここが透析業務のツラいところだと、個人的には思います。

 

これに対して、手術室の業務や心臓カテーテル検査業務はその業務の特性上クレームを受けづらいです。

 

仕事を続けられる理由

僕が、仕事を続けられる理由。

  • 信頼できる仲間がいる
  • 医療機器が好き
  • 好きな業務分野がある

これらを、順番に深堀りします。

 

信頼できる仲間がいる

一緒に仕事をする仲間。臨床工学技士、看護師、診療放射線技師…

その中に、信頼できる仲間がいれば仕事を続けられます。
職場内の人間関係が良好であれば働きやすいです。
自分のことを信頼してくれる人、認めてくれる人がいるというのは、それだけで実は恵まれていることなんです。

働いている環境に慣れてしまうとその事実に気付かなかったり、忘れてしまいがちですが、とても大切なことです。

 

職場の人間関係について詳しく知りたい方はコチラも

 

医療機器が好き

医療機器が好きだから、どのような効果が得られるのか、どのように使うのか、といったことを考えてしまいます。
医療機器の取り扱い方法を看護師さんに説明するのも好きです。

医療機器を通して誰かの役に立ちたい。
そういった願望が僕にはあるのかもしれません。

 

好きな業務分野がある

心臓カテーテル業務、ペースメーカなどの植込み型医療機器、カテーテルアブレーションなど、興味のある分野があります。
もっとその分野に詳しくなりたい、勉強したい、仕事をしたい。

そういった好奇心があるから、仕事を続けられます。
興味も関心もないことを仕事にするのは、退屈な時間を過ごすことと近いものがあります。

 

[臨床工学技士]今の職場に不満がある人へ。病院見学のすゝめ

2019年7月29日
ジャック
逆にいうと、これらの続けられる理由が無くなったとき、僕は臨床工学技士を辞めるかもしれません。

 

さいごに

「こんなにツラい仕事なら、臨床工学技士になるんじゃなかった」
これから臨床工学技士を目指そうと考えている方がそう思わないように、現役で働く僕がツラいと思うところを紹介させていただきました。

こういった生の声は養成校でも、病院見学でも、病院実習でも分からないことです。
もっと知りたい、という方はSNSなどを通して臨床工学技士にコンタクトを取ってみることをおすすめします。

この記事が、将来臨床工学技士を目指そうと考えている方の参考になれば幸いです。

ジャック
今回も最後もで読んでいただき、ありがとうございました!



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ABOUTこの記事をかいた人

ジャック

とある病院ではたらく、とある臨床工学技士。 「臨床工学技士の認知度向上」と 「むずかしい医療機器を、分かり易く&簡単に」を このブログを通して1人でも多くの人に伝えていきたいと思います。