【睡眠時無呼吸】CPAP装置の各種設定と治療データの見方について解説します

おはようございます。
この記事を書いている、ジャックです。

 

今回は、CPAP装置の各種設定項目と治療データの見方についてお話ししたいと思います。

入院中に簡易PSG検査を実施した結果、睡眠時無呼吸症候群の診断がついてCPAP装置を使用することになった。
装置の設定が分からない! データの見方が分からない!
そんな方に向けて記事にしてみました。

 

睡眠時無呼吸症候群については別記事にまとめましたので、こちらをご覧ください。

睡眠時無呼吸症候群とCPAP療法について、臨床工学技士がわかりやすく解説します

2018年12月5日

 

CPAP装置の各種設定項目について

CPAP装置のメーカーには、帝人、フィリップス・レスピロニクス合同会社(以下、フィリップス)などがあります。
メーカーによって、取り扱っている装置が異なります。

今回は、フィリップスのCPAP装置における各種設定項目についてお話します。

 

フィリップスのCPAP装置の種類

フィリップスが取り扱うCPAP装置には以下の機種があります。

  1. ドリームステーション
  2. REMstar Auto SystemOne 60シリーズ
  3. REMstar Auto SystemOne

 

ドリームステーションが1番新しい機種になります。
名前が他の2つと異なりますが、装置の設定項目はほとんど同じです。
外装デザインが異なるぐらいと思っていただいて構わないです。

 

CPAP装置の各種設定項目

  1. 最小圧
  2. 最大値
  3. A-Flex,C-Flex
  4. オートオフ
  5. Autoオン

 

1.最小圧

最小圧は、マスクをつけたときに送られてくる風の強さを表します。
また、息を吐くときの風の力でもあります。
この設定値の基準値は「4」です。

この設定値が高すぎる場合、患者さんが「風の力を強く感じる」や「息が吐きずらい」と感じることがあります。これらの訴えがあった場合は、最小値の設定を変更できないか検討してみましょう。

 

2.最大値

最大値は、息を吸うときの風の強さを表しています。
最小値〜最大値の範囲で風の力を調整し、無呼吸や低呼吸を状態を防ぎます。

この最大値が設定が低い場合、CPAP装置を使用していもAHI(無呼吸低呼吸指数)が目標値(AHI=5未満)を達成できないことがあります。
また最大値が大きい場合、患者さんが「風の力を強く感じる」ことがあります

 

3.A-Flex,C-Flex

Flexは、CPAP装置から送られてくる空気の違和感を緩和するための機能です。

C-Flexは患者さんが息を吐きやすくための機能です。
息を吐くときにも最小値の圧がかかっているため、患者さんは「息が吐きずらい」という違和感を感じることがあります。
息を吐くときだけ風の力を弱めことで「息が吐きずらい」という違和感を緩和することができます。

A-Flexは患者さんが息を吸うときの違和感も緩和するための設定です。
息を吸いやすくし、ゆっくり圧力を上げることで風の強さを和らげています。

 

4.オートオフ

オートオフはマスクが外れたことを装置が認識した場合、自動的に空気を送るのを停止する機能です。
この機能が“オン”のときは、マスクが外れたのを認識した場合、自動で送気を停止します。
“オフ”のときは、マスクが外れても装置は空気を送り続けるため、治療オン/オフボタンを押して送気を停止する必要があります。

 

5.Autoオン

Autoオンはマスクが装着されたのを装置が認識した場合に、自動的に空気を送りはじめる機能です。
この機能が“オン”のときは、マスクが装着されたのを認識し、自動で空気を送りはじめます。
“オフ”のときは、治療オン/オフボタンを押して送気を開始する必要があります。

 

注意
鼻口マスクの場合、Autoオン機能が作動しない場合があります。
治療オン/オフボタンを押して、確実に治療を開始することをお勧めします。

 

加温加湿器について

CPAP装置は室内の空気を取り込んで、マスクまで空気を送ります。
CPAP装置専用の加温加湿器を使用することで、CPAP治療後の喉や鼻の乾燥や痛みを防ぐことができます。

 

加温加湿器には、精製水を使用します。
水道水だと菌の繁殖や故障の原因になりますので、使用しないでください。

補足 ーお部屋の加温加湿でも対応できますー
CPAP装置は室内の空気を取り込んでいます。室内を適温に保ち、加湿することでも、喉や鼻の乾燥を防ぐことができます。
CPAP装置専用の加温加湿器を使用する前に、ぜひお試しください
注意 ーCPAP装置専用の加温加湿器にはデメリットもー
CPAP装置専用の加温加湿器の使用には、別途レンタル料が発生することがあります。気になる方は医師やお会計で別途レンタル料が発生しないかご確認ください。

加温加湿器で暖められた空気が冷めることでホースやマスク内に結露が発生することがあります。この結露水で目が覚めてしまうこともあります。
ホースを布団の中に入れて、ホース内の空気が冷めないように工夫してみましょう。

 

CPAPの治療データの見方

フィリップスのCPAP装置は、「Encore Pro2(アンコール プロ2)」という解析ソフトで読み込むことができます。
Encore Pro2では「サマリー」「トレンド」「詳細」の3つの治療データを作成することができます。

 

サマリー

サマリーとは日本語で「概要」のこと。
コンプライアンス情報:装置の使用率や装着時間に関する情報
装置モード、パラメーター:治療モードや装置の各種設定に関する情報
イベントサマリー:各圧力時におけるイベント(無呼吸や低呼吸など)の発生状況

以上のデータを確認できます。

 

トレンド

トレンドとは日本語で「傾向」「動向」「流行」のこと。
コンプライアンス情報、装置モード、パラメーター情報に加えて、期間内のイベント(無呼吸や低呼吸など)のデータをグラフで表示します。

 

詳細

「詳細」データでは、「サマリー」「トレンド」と比べて、多くのデータをグラフで表示します。
コンプライアンス情報を期間内の装着時間をグラフで表示。
使用パターンでは何時にマスクを装着して、何時に外したのかをグラフから読み取ることができます。

期間内のイベント(無呼吸や低呼吸など)も「トレンド」同様グラフで表示します。
また「詳細」では、「毎日の詳細」として一日一日のデータをグラフにして表示することができます。

 

ジャック
「詳細」データがグラフ表示も多く、1番見やすいデータだと思います。
僕が努めている病院では「詳細」データを作成し、医師の診療に役立てています。

 

イベント(無呼吸や低呼吸)情報について

無呼吸や低呼吸などのイベント情報の見方について解説します。

 

気道開存無呼吸指数(平均CA指数)

脳からの「呼吸しなさい!」という指示が来ないため起こる無呼吸。
肺や呼吸筋などに問題がない、気道も塞がっていない状態のため、気道開存無呼吸という名前が付けられています。

 

注意 CPAP装置では気道開存性無呼吸を防げないー
気道開存性無呼吸は睡眠時無呼吸の一種ですが、CPAP装置では防ぐことができません。
CPAP装置は閉じた気道を広げることで無呼吸を防ぐからです。

脳からの「呼吸しなさい!」という指示が来ないために起こる無呼吸は、人工呼吸器でしか防ぐことができません。

 

気道閉塞無呼吸指数(平均OA指数)

喉や気道に舌が落ち込む(舌根沈下)ことで起こる無呼吸。
舌が落ち込むことで気道が塞がるため、気道閉塞無呼吸という名前が付けられています。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の9割が、この気道閉塞無呼吸に該当します。
CPAP装置を使用することで、気道閉塞無呼吸の発生を防ぐことができます。

 

低呼吸指数(平均H指数)

低呼吸とは、「気流が半分以上低下し、同時に酸素飽和度が4%以上低下するか、あるいは睡眠から覚醒すること」と定義付られています。

 

何だか難しい表現だけど、「無呼吸ではないけど、十分な呼吸は出来ていませんよ」って認識で特に問題ないと思います。

 

平均無呼吸低呼吸指数(平均AHI指数)

平均無呼吸低呼吸指数は、平均CA指数と平均OA指数と平均H指数の和になります。

平均AHI指数 = 平均CA指数 + 平均OA指数 + 平均H指数

 

平均AHI指数を「5未満」にすることが、CPAP装置の設定・装着目標になります。

まとめ

  1. フィリップスのCPAP装置は3機種。ドリームステーションが1番新しい。
  2. 設定は「最小値」「最大値」「Flex」「オートオフ」「オートオン」などがある。風の強さの設定は、患者さんの訴えを聞きながら慎重に。
  3. 専用の加温加湿器を使用する前に、部屋の適応・加湿を試す。
  4. 治療データは「詳細」が見やすい、分かりやすい。
  5. 平均AHI指数は「5未満」を目標に。

 

さいごに

今回は、CPAP装置の各種設定項目と治療データについて書かせていただきました。

CPAP治療は在宅で行われるため、医療従事者が治療を実際に見ることができません。
治療データを診ること、患者さんの訴えを聴くことが、治療を継続していただくことに繋がると思います。



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ジャック

とある病院ではたらく、とある臨床工学技士。 「臨床工学技士の認知度向上」と 「むずかしい医療機器を、分かり易く&簡単に」を このブログを通して1人でも多くの人に伝えていきたいと思います。