
先日、Twitterでこのような投稿を見かけました。
どうしても親が看護師をやらせたいらしくて遂に医療職について詳しい人を頼って私に現実を見せるためとか言って電話をかわらせてきたんだけどボロ泣きすぎて内容が頭に入ってきません
— ゆう (@y___konocco) June 21, 2020
もう臨床工学技士諦めて看護師になった方が楽かな
弓道も大学も夢も捨てて生きるしか🙃
ゆう (@y___konocco)さんは臨床工学技士を目指す高校3年生。
本人の意志とは裏腹にご両親はゆうさんに看護師の道を進んで欲しい、と考えられているようです。
僕はこの投稿を見て、ゆうさんが自分の道を進めないことで自暴自棄になりかけてそうな感じを受けました。
皆さんは「親から夢を応援してもらえない」「そのことで夢を諦める」、そんな人を見かけたときどのような声をかけますか?
今回はこの投稿へのリプライや僕の考えについて記事にしてみました。
同じような悩みを抱えている学生さんに響く内容になったら嬉しいです。
「答え」は経験から


他の人も言ってるかもしれないけど、看護の専門学校→CE専攻科だと大学と同じ年数で取れます。大学に入っても5年です。逆は6年かかります。圧倒的に看護→CEを勧めます。親も説得できてベストかと。
— CEに恋をして−ある臨工の卵の日常− (@CE_koi_ME) June 22, 2020
看護の専門学校に弓道ができるところがあるか知りませんが、大学なら弓道部を持つところもあります。
FF外から失礼します。
— いとみつ@看護師9年目 (@mfrpna) June 23, 2020
その理由で看護師になるのは、辞めたほうが良いです。
数年後、あなたが潰れてしまいます。
あなたの人生に関わる事なので、やりたい事納得した事をしてください。
看護師だけが仕事ではありません。
私は、子どもに看護師にはなるなと言っています。
今後CEの業務は増えて行くと思います。
— Yasuhiko Suzuki (@YasuhikoSuzuki3) June 22, 2020
何故なら、医療機器が益々自動化され専門知識が要求されるからです。
欧米では、その為のライセンスを医師や看護師が取っていますが、東洋では臨床工学技士に関心が深まっています。
親御さんが看護師を勧めるのは、CEの事をご存知無いからでしょうか?
沢山あるリプライの中から3つだけ紹介させていただきました。
他のリプライが気になる方は元ツイートからご確認ください、
実際に看護師、臨床工学技士として働いている方のリプライでも様々な内容が書かれていることが分かります。
彼らの答えは自身の経験や体験から来るものだと思います。
こうした現役医療従事者の“生”の声を聞けるのはSNSの良いところですね。
僕の「答え」


臨床工学技士の知名度の低さ
はじめまして。
— ジャック@とあるMEの備忘録 (@jack_toarume) June 22, 2020
もしかしたら親は臨床工学技士について詳しく知らないのかな。
メジャーで仕事内容が分かる看護師の方が親として何となく安心なのではないでしょうか?
ゆうさんが何も諦めることなく、納得できる人生を歩めることを遠くから応援してます。
僕はゆうさんのツイートを見て、ご両親は【臨床工学技士】という仕事について詳しく知らないのではないか、と考えました。
医療従事者で思いつくのは【医師】や【看護師】。あとは【理学療法士】【作業療法士】【診療放射線技師】【臨床検査技師】などではないでしょうか。
【臨床工学技士】なんて聞いたこともないし、仕事内容も想像できない。数ある医療資格の中からわざわざ【臨床工学技士】を選ぶのか理解できない。ご両親はそんな風に考えたのではないかと、僕は想像しました。
失敗して欲しくない、という親の気持ち
ゆうさんはきっとご両親からとても大切にされているのかもしれません。
17、18年間大切に育ててきた子を何だかよく分からない道に進ませたくない。失敗して欲しくない。誤った道に進んで欲しくない。そう考えるのが親の気持ちなのかもしれません。
親の心子知らず。
なんて諺もあるように、親としては今後も安定して仕事がありそうな【看護師】の道に進んで欲しい。親の考え(心)を子供に分かってもらいたい。そう思うのが親心なのかもしれません。
臨床工学技士がもっと知名度があって仕事内容が広く知れ渡っていたのなら、ゆうさんのご両親も【看護師】の道に進むように言わなかったのではないか。そう考えてしまいました。
大切な子供のことだから自分がよく分からない道に進めさせたくない。失敗させたくない。って気持ちが強いのかもしれませんね。
— ジャック@とあるMEの備忘録 (@jack_toarume) June 22, 2020
その調子で頑張ってください!
僕の「答え」はやっぱりの僕の経験から


看護師になることを反対された過去
ゆうさんと同じ高校3年生のときに、僕は看護師になるか臨床工学技士になるかで悩んでいました。
親は看護師になることに【反対】でした。
2002年にナースマンというテレビドラマが放送されました。
それまで看護師は女性の仕事とされていましたが、男性でも看護師になれる。このドラマをきっかけにそのことが広く認識されたと思います。
ちなみに…
2001年に「保健婦助産婦看護婦法」が「保健師助産師看護師法」に改定されたことにより、2002年3月から男女ともに「看護師」という名称に統一された[1]。詳細は#雇用機会均等化を参照。
日本の看護師
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
それまで女性は「看護婦」男性は「看護士」と区別されていたのが、「看護師」として統一されたのも、この時期でした。
社会に男性看護師が周知され始めたものの、僕が高校3年生の頃は、まだまだ男性が看護師になるのは極々少数でした。
そういったこともあり、男性である僕が看護師の道を進むことに両親は不安があったのだと思います。
まさかの掌返し
その後、僕は臨床工学技士の学校に通うことになりました。
無事、国家資格に合格し総合病院に入職もできました。
臨床工学技士として働く中で何度か看護師になりたい。
そう思うことがありました。
両親にそのことを相談したことは無かったのですが、ふと仕事に対する弱音を吐いたときに「なら、今の仕事辞めて看護師になれば?」と言われました。
あのとき、あんなに看護師になることを反対したのに。
今になってそんなことを言うのか。
そう憤ったことがあります。
僕は今でも臨床工学技士として働いています。仕事内容にも満足しています。
それでも、親から言われたこの言葉だけは今でも覚えています。
何も諦めることなく、納得できる人生を


誰も自分の人生の責任を負ってくれないから
僕の親からの言葉から分かるように、親といえども身勝手なものです。
誰も自分の人生の責任を負ってくれない。
当たり前だけどそれが現実なんです。
だから、僕はゆうさんに誰かのせいで何かを、それは弓道や大学や夢かもしれないし、これから出会う何かかもしれないし、それら全てを諦めて欲しくないな。と思ってしまったのです。
自分の人生の責任は自分で負うしかないないのなら、せめて自分が納得できる人生を送って欲しい。そう思ったのです。
自分で選ぶ、ということ
自分で選ぶ。
それは何も悪いことばかりではありません。
右に倣え。同調圧力に屈するのは楽かもしれません。
でもそれは、うまく物事がいかなくなったときに誰かや何かのせいにしてしまう、ことに繋がりかねません。
親が認めてくれなかったから。
社会が認めてくれなかったから。
そんな風に考えてしまうかもしれません。
自分で選んだことなら誰のせいにもできない。
だから納得できるはずです。
そして自分で考えて選ぶ力がある人は、別の問題にぶつかったときにでもそれを乗り越えるだけの力があると僕は信じています。
最後に

今回は「Twitterで見かけた臨床工学技士を目指す高校生のツイート」から、僕のリプライと考えについて書かせていただきました。
現役臨床工学技士の僕がやるべきことは、臨床工学技士という仕事を広めることで、それがゆうさんみたいな思いをさせないことに繋がるのかもしれない。と思いました。
