ペースメーカの設定:モード「DDI」について解説

おはようございます。
この記事を書いている、ジャックです。

今回は、ペースメーカのモード『DDI』について解説したいと思います。
ペースメーカについての概要・おおまかな内容はコチラの記事にまとめましたので、併せてご覧ください。

 

ペースメーカのモード『DDI』とは

ペースメーカのモード『DDI』を一言で説明すると、モード『DDD』のAs-Vp動作を省いたものといえます。

付け加えると『DDI』は、心房頻拍(不整脈)がある場合に設定されます。

 

うん、分かりにくい。
詳しく解説します。

補足
この2つの情報が分かっているだけで、臨床的には十分だと思います。
循環器の看護師や臨床工学技士など、もっと深く知りたい方は続きを読んでみてください。

 

『DDI』と『DDD』の違いを見てみよう

ペースメーカの設定『DDI』と『DDD』の違いについて見てみましょう。
深く考える必要はありません。
・・・今、難しく考えたでしょう?

 

『DDI』と『DDD』の違いは、三文字目が「I」か「D」の違いです!
え、そんなこと分かっているって?
でも、ココが重要なのです。

 

三文字目の「I」と「D」の意味ついて

ペースメーカのモードは、NBGコード(国際ペースメーカコード)という規格で決められています。
三文字目は、自己心拍を感知した場合のペースメーカの反応を表しています。

「I」(Inhibited)は抑制、「D」(Dual)は抑制と同期の両方を行うことを意味しています。

 

『DDI』と『DDD』。この「I」と「D」の違いは、As-Vp動作のときにだけ現れます。
(As-Vs、Ap-Vs、Ap-Vp動作のときは、DDIもDDDも同じ動作をします)

『DDD』の心房センシング・心室ペーシング(AsVp動作)
心房で自己Pを感知(As)したため、心房ペーシングを抑制。心室で自己R波を感知できなかったため、心房(As)に同期して心室をペーシング(Vp)する動作
『DDI』の心房センシング・心室ペーシング(AsVp動作)
心房で自己Pを感知(As)したため、心房ペーシングを抑制。心室で自己R波を感知できなかったため、心房(As)に同期しない状態で心室をペーシング(Vp)する動作。

 

はい。だんだん訳分からなくなってきましたね。
ここで、一旦整理しましょう。

頭のなかを整理して、ゆっくり考えてみよう

これまでの流れをまとめると

  1. 『DDI』の「I」は抑制。『DDD』の「D」は抑制と同期
  2. 『DDI』と『DDD』は、As-Vp動作のときにだけ違う動きをする
  3. 『DDI』はAs-Vp動作のときに、心房(As)に同期しない状態で心室をペーシング(Vp)する
    『DDD』はAs-Vp動作のときに、心房(As)に同期して心室をペーシング(Vp)する

でしたね。

 

赤マーカーを引いたところに注目してください。
『DDD』の三文字目の「D」には同期という文字あります。
同期という機能があるから、心房(As)に同期して心室をペーシング(Vp)できるのです。

 

歩く、走る、畑作業をするなど、人間は身体を動かすと心拍数が上がりますね。
心臓の電気信号は心房から心室に向かって伝わります。
ペースメーカも自己心拍(P波、心房の興奮)があった場合は、その動きに合わせて(同期して)心室をペーシングすることができます。
これが『DDD』の最大の特徴なのです。

 

では、心房(As)に同期しない状態で心室をペーシング(Vp)する『DDI』というモードは、どんなときに設定するのでしょうか?

『DDI』を設定するのは、どんな場合?

自己心拍(P波)に合わせて、心室をペーシングする『DDD』の方が、より生理的な心拍動を可能にしている気がします。

 

それなのに、何故『DDI』なんてモードがあるのでしょうか?
答えは、『DDD』が心房頻拍性の不整脈に弱いことにあります。

 

詳しく説明します。

 

『DDD』で心房頻拍性の不整脈が起こると?

例えば、『DDD』のペースメーカが植め込まれている患者に「心房細動」が起きたとしましょう。
このとき、ペースメーカはどのような動きをするか分かりますか?

 

心房の細かな動き(f波)を、すべて心房の動き(As)とペースメーカは認識してしまいます。
心房細動は、1分間当たりのは(心房の)拍動数は300回以上となります。
ペースメーカは、この異常に多い心房の拍動に合わせて(同期して)心室をペーシングしてしまうのです。

 

患者は安静にしているのに、心房細動が起こることで心拍数が上昇(ペースメーカの設定上限レートまで)。これにより、患者に胸の圧迫感や不快感を与えてしまいます。

 

これを防ぐために、『DDI』モードに設定する必要があります。

※ペースメーカには「モードスイッチ」という機能があります。
これは『DDD』のペースメーカが、心房細動を認識した場合に、自動的に『DDI』へモードを切り替える機能です。

今回のまとめ

  • 『DDI』は、心房頻拍性不整脈が高頻度に起きる場合に設定する
  • 『DDI』と『DDD』は、As-Vp動作のときにだけ違う動きをする
  • 『DDI』はAs-Vp動作のときに、心房(As)に同期しないで状態で心室をペーシング(Vp)する

 

 

さいごに

今回は、ペースメーカの設定:モード「DDI」について解説しました。
分かり易く伝えるつもりで書いたのですが、難しかったかもしれません。
分かり易く伝えるのって、難しいですね。



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ABOUTこの記事をかいた人

ジャック

とある病院ではたらく、とある臨床工学技士。 「臨床工学技士の認知度向上」と 「むずかしい医療機器を、分かり易く&簡単に」を このブログを通して1人でも多くの人に伝えていきたいと思います。