おはようございます。
この記事を書いている、ジャックです。
今日は『睡眠時無呼吸症候群』とその治療法の1つである『CPAP療法』についてお話したいと思います。
- 旦那さんのイビキがうるさい!
- 夜間のトイレの回数が気になる(多い)
- 夜十分に睡眠をとったのに、昼間に強い眠気がある
これらに該当する方は、是非この記事を読んでみて下さい。
Contents
睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群は、英語で Sleep Apnea Syndrome と言います。この頭文字をとって、SAS(サス)とも言われています。
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が止まってしまう病気です。
健常な人でも睡眠1時間あたりに1〜5回程呼吸が止まります。
睡眠1時間あたりに5回以上呼吸が止まると、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
次の項目「睡眠時無呼吸症候群の症状について」で当てはまるものがある方は、一度病院で検査した方が良いかもしれません。
睡眠時無呼吸症候群の症状について
睡眠時無呼吸症候群は眠っている間に呼吸が止まる病気です。
その病気の特徴から、自分では病気に気付きにくいです。
しかし、実は睡眠時無呼吸症候群は、起きているときにも症状があります。
これらに注意することで睡眠時無呼吸症候群を発見できるかもしれません。
就寝中の症状
- いびきをしている
- 呼吸が止まる
- 無呼吸の後に激しいいびきをする。
- 夜間何度もトイレで目を覚ます
起床時の症状
- 朝すっきり起きられない
- 熟睡感がない
- 頭が重たい感じがする
日中の症状
- 強い眠気がある
- 集中力が続くない
- 身体の怠さを感じる
これらの(起床時の症状や日中の症状)に注目することで、睡眠時無呼吸症候群を自分自身で疑うことができます。

就寝中の症状が分からない!という方は、寝室にビデオカメラを設置してみましょう。実際に自分が寝ている姿を録画することで、眠っている間の呼吸状態を確認することができます。

睡眠時無呼吸症候群を調べる検査
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、検査を行います。
検査には二種類あります。
自宅で行われる「簡易検査」と病院に一泊入院して行われる「精密検査」です。
簡易的な検査
病院から検査用の装置を借りて、自宅で検査を行います。
就寝前に鼻の下にセンサーと指先にセンサーを装着します。
鼻の下のセンサーで呼吸状態を測定し、指先のセンサーで血液中の酸素飽和度を測定しています。
簡易検査で睡眠1時間あたり40回以上の無呼吸・※低呼吸が確認されると、CPAP療法の適応となります。
CPAP療法については、次の項目で説明します。
※低呼吸とは、通常の換気と比べて明らかに効率の低い呼吸のことです。酸素飽和度も3〜4%以上低下します。
精密検査
精密検査は医療機関(病院など)に一泊入院をして行います。
専用の装置を使うことで睡眠中の脳波・筋電図・心電図を測定、記録することができます。
簡易検査より詳しい内容を検査できます。
精密検査で睡眠1時間あたり20回以上の無呼吸・低呼吸が確認されると、CPAP療法の適応となります。
睡眠時無呼吸症候群の治療法
睡眠時無呼吸症候群の治療方は、3つに分けられます
- CPAP療法
- マウスピース
- 外科的手術
このうち1.CPAP療法と2.マウスピースは対症療法といわれ、病気自体を根本的に治す治療ではありません。CPAP装置やマウスピースを使用して寝ているときだけ睡眠時無呼吸症候群を抑制できる、といったものになります。

CPAP療法とは
CPAP療法は「Continuous Positive Airway Pressure」の頭文字をとっています。
CPAPは「シーパップ」と呼びます。
日本語では「経鼻的持続陽圧呼吸療法」といいます。
CPAP装置から気道に空気を送ることで、気道内を陽圧に保ちます。気道内を陽圧に保つことで上気道が塞がらないようにし、無呼吸状態を防ぐ治療法です。

CPAP療法の効果と注意点
CPAP療法を行うことで得られる効果は
- 生活の質(QOL)の改善
- 高血圧の予防・改善
- 虚血性心疾患の予防
- 脳卒中の予防
- 糖尿病の予防
- メタボリック症候群の予防・改善
などが挙げられます。
注意点は
- CPAP療法は対症療法のため装着しないで寝てしまうと、無呼吸が起きてしまうこと
- CPAP療法は対症療法のため睡眠時無呼吸症候群が根本的に治るわけではないこと
- CPAP療法に慣れずに途中で辞めてしまう人が一定数いること
他にも、マスクの装着がキツいことが原因による跡が付くこと、マスクからの空気を無意識的に飲み込むことでお腹が張る感じがすること、なども注意点に挙げられます。
CPAP療法にかかる費用
睡眠時無呼吸症候群と診断され、保険適応基準を満たすことで健康保険の適応となります。
CPAP装置は医療機関から貸出し(レンタル)となります。
レンタル代は診察代と一緒に医療機関でのお支払となります。
CPAP装置の治療代:
3割負担: 月約4500円
1割負担: 月約1500円
レンタルに含まれるものはCPAP装置本体以外にも、CPAP用のマスク、ホース、電源ケーブル、治療データ記録用のSDカード、装置本体・各パーツを収納するバックなどがあります。
CPAP用のマスクやホースは毎日使用するものなので、途中で破損してしまう恐れがあります。
装置をレンタル契約している場合、これらの部品を追加料金なしで新品に交換対応してくれる場合があります。かかりつけの医療機関の専門スタッフにご相談ください。
まとめ
「就寝中にいびきをかく」「就寝中に呼吸が止まる」「夜間トイレで頻回に目が覚める」「日中に強い眠気がある」「集中力がつづかない」「自動車の居眠り事故を起こした」など、睡眠時無呼吸症候群の症状がないか、まず確認しましょう。
思い当たるふしがある場合、一度医療機関を受診し医師に相談することをお勧めします。
CPAP療法は対症療法ですが、外科治療に比べると簡便で安全性が高い治療と言えます。
CPAP療法を行うことで、高血圧・虚血性心疾患・脳卒中・糖尿病などの発症率を低下させる報告があります。睡眠時無呼吸症候群を放置することはリスクが高いと言えます。
さいごに
「睡眠時無呼吸症候群」と「CPAP療法」について、大まかに説明させていただきました。
医療従事者向けに装置の設定や解析データの見方などについても、記事にしていきたいと考えております。